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可愛い絵で、職場のじれったい距離感を読みたい。そんな気分に応えてくれる一冊があります。引っ越しの現場で出会った女性が、転職先の面接官として現れる——全8話のオフィスラブ『ヴァージンな関係』1巻を、夜棚が紹介します。
作品の基本情報
| タイトル | ヴァージンな関係 1 |
|---|---|
| 作家 | 小林拓己 |
| レーベル/出版社 | 竹書房 |
| 作品形式 | 商業コミック(青年マンガ) |
| 主なジャンル | ラブコメ/お色気 |
| 属性・シチュ | OL/職場・浮気・ラブコメ |
| シリーズ | ヴァージンな関係(本作は第1巻) |
| 発売日 | 2009年4月22日 |
| 価格 | 618円(税込・配信時点) |
| ボリューム | 全8話/218ページ |
結論
評価:★★★★☆(★4 / 5)
可愛さと綺麗さが同居した絵で読ませる、オフィスラブの連作です。出会った相手が面接官、そして上司という順に立場が変わっていくので、近づいたと思うと引き戻されるじれったさが1巻を通して続きます。お色気の描写そのものは濃い方向ではなく、流されやすい主人公が話を動かすため、主人公に気持ちを預けて読みたい人は引っかかるかもしれません。
こんな人におすすめ
- 可愛い系と綺麗系のあいだの絵柄で選びたい人
- 職場を舞台にした、じれったい距離感のラブコメが好きな人
- 1話ごとに関係が動く連作をテンポよく読みたい人
向かない人
- 主人公にしっかり感情移入して読みたい人
- 濃いお色気描写を期待する人
- 相手を一人に絞ったまま進む展開が好きな人
- 作品タイプ:連作(全8話/続きものの途中)
- 絵柄:可愛い系・綺麗系
- 主な属性:OL
- 関係性・シチュ:職場/浮気/ラブコメ
- 読み味:甘い/コミカル/じれったい
- NTR要素:なし
- 後味の悪い終わり方:なし
- 鬱展開:なし
- 暴力的な描写:なし
- 人を選ぶ要素:なし
あらすじ・世界観
引っ越し作業員として働く黄味島忠が、依頼先で酔った女性・赤石佳那と出会うところから始まります。相手は離婚を控えて部屋を移してきたばかりで、作業中のひと悶着をきっかけに事情を知ることになります。ひと晩を経た翌朝、忠は転職の面接へ向かうのですが、その会場に彼女がいる——という入口です。
そこから二人の関係は、面接官と応募者、さらに上司と部下へと立場を変えていきます。距離が縮まりかけるたびに、誤解や別の女性の存在が挟まって足踏みするのがこの巻の形です。大学時代の後輩が同じ職場に入ってきたり、飲み会の流れで思わぬ相手と鉢合わせたりと、忠の周りは1話ごとに落ち着きません。ひとつの関係をじっくり積み上げるというより、近づいては離れる往復を8話で見せる構成です。
夜棚レビュー
- 絵柄:この一冊を選ぶ理由はここです。丸みのある可愛さと、線の綺麗さが同居していて、可愛い系か綺麗系かで迷うくらいの中間にあります。ヒロインの表情がよく動くので、じれったい場面ほど絵の良さが効いてきます。
- 立場が変わっていく距離感:出会いの時点では素性を知らない相手が、面接官になり、配属先の上司になる。その順番のせいで、二人は素直になりたくてもなれません。この足踏みが読み味の「じれったい」を作っています。
- 同じ関係が続かない:忠は流されやすく、佳那以外の女性とも接点を持ってしまいます。おかげで1巻のあいだ同じ絵面が続かず、次の話で何が起きるかが気になる作りになっています。
- 1話ごとの区切り:8話それぞれに小さな山があり、区切りよく読み進められます。通勤前後のような短い時間でも1話単位で拾いやすい作品です。
良かった点 / 気になった点
◎ 良かった点
- 可愛さと綺麗さが同居した絵柄
- 面接官から上司へと立場が変わる、じれったい距離感
- 同じ関係が続かず、1冊のなかで展開が動く
- 1話ごとに区切りがあり読みやすい
- NTR要素・鬱展開・後味の悪い終わり方は無い
△ 気になった点
- 主人公が流されやすく、好きになれるかは分かれる
- お色気の描写は場面数のわりに濃くはない
- 浮気の形になる回があり、一途な展開を求めると気になる
- 続きもので、1巻では関係が落ち着かない
こんな人におすすめ / 向かない人
おすすめ
- 可愛い系と綺麗系のあいだの絵柄で選びたい人
- 職場が舞台のラブコメが好きな人
- じれったい距離感を追いかけたい人
- 1話ずつ区切って読みたい人
向かない人
- 主人公にしっかり感情移入したい人
- 濃いお色気描写を求める人
- 相手を一人に絞ったまま進む展開が好きな人
各話メモ
◎は夜棚が特に良かった話です。第1話から順につながる連作で、1巻には8話を収録しています。
- 第1話 出会いと再会:OL・出会い|引っ越しの依頼先で、離婚を控えて越してきたばかりの赤石佳那と出会う黄味島忠。後日、転職の面接に向かった忠は、その会場で彼女と再会して固まる。
- 第2話 オトコの性:職場・面接|面接官の側にいた相手に動揺し、受け答えは散々。落ち込んだ帰り道、ほかの応募者と流れで飲みに行ったところを、よりによって彼女に見られてしまう。
- 第3話 「女」という事情:OL・仲直り|誤解されたと気づいた忠は彼女の家を訪ねる。互いに引け目を見せ合ったところで、面接の結果を告げられる。
- 第4話 シット…!?:職場・後輩|入社前研修で大学時代の後輩・真琴と再会。女性たちと親しげな忠を、研修に同行していた佳那が上司の立場から問いただす。 ◎
- 第5話 初出社&初ラブホ:OL・職場|配属先は佳那のアシスタント。真琴も同じ課に入り、ちょっとした失敗から社内に気まずい空気が流れる。取引先回りの途中で、佳那の意外な一面が見える回。
- 第6話 浮気の虫…?:後輩・やきもち|ネクタイの礼にと真琴と食事へ。好きなのは佳那だけだと伝えた翌朝、その食事の件が真琴本人の口から佳那へ伝わってしまう。
- 第7話 誘惑する女:浮気・行きずり|まだ許していない佳那に追い返され、職場でも冷たくされる忠。同期との飲み会の流れで連れて行かれた店で、紫苑と出会う。
- 第8話 危険な事情:浮気・後始末|見知らぬ部屋で目を覚ました忠は、その部屋の場所を知って青くなる。体調を気遣って訪ねてきた佳那を前に、彼が心に決めたこととは。
同じくOLが主役で、職場の空気が話に絡む一冊。あちらは会社では地味な女性がコスプレで一変するギャップが主役で、こちらは上司と部下という立場そのものが距離感を作ります。
まとめ
『ヴァージンな関係』1巻は、引っ越しの現場で出会った相手が面接官になり、やがて上司になるという順番で距離感が変わっていくオフィスラブです。可愛さと綺麗さが同居した絵柄が魅力で、近づいては離れるじれったさを8話で追えます。一方で、忠は流されやすく、ほかの女性との場面も挟まるので、一途な関係を読みたいときには向きません。お色気の濃さで選ぶより、絵柄と職場の空気で選ぶ一冊です。続きものなので、気に入ればそのまま次の巻へ進めます。